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前立腺炎

前立腺炎には急性の前立腺炎と慢性の前立腺炎とがあります。
この前立腺炎という病気はあまり知られていないと思いますが意外に多い病気で、全男性の50%位の人が一生のうちに一回はこの病気にかかるといわれています。

1995年にNIHが前立腺炎の分類を改めて、次のように分類しましたので、それに沿って話しを進めたいと思います。

  1. 急性細菌性前立腺炎
  2. 慢性細菌性前立腺炎
  3. 慢性非細菌性前立腺炎(炎症性 / 非炎症性)
  4. 無症候性炎症性前立腺炎

1.急性細菌性前立腺炎

細菌が感染して起こる急性の前立腺炎で、尿道や血管またはリンパ管を通ってきた細菌によって起こります。

症状

寒気がして40度前後の高い熱がでます。
また炎症で前立腺が腫れますから、真中を通っている尿道を圧迫して、頻尿や排尿困難という、前立腺肥大症のような症状の他に、排尿痛、会陰部痛、下腹部痛等といった症状も出ます。
炎症が激しい場合には敗血症にまで発展する事もあります。

治療

急性の前立腺炎は40度前後の高熱が出て会陰部痛なども伴いますから、歩行や座位が難しくなることが多く、通常は入院して治療することになります。

細菌が感染して起こるのが原因ですから、治療は抗菌剤が主体になります。そのほか高熱のある場合は解熱剤の投与を行ったり、薬物を使った保存的な治療が行われます。

2.慢性細菌性前立腺炎

慢性の細菌性前立腺炎に関係している主な細菌はブドウ球菌や大腸菌、緑膿菌等の菌で、慢性に経過する前立腺の炎症です。
急性の前立腺炎が慢性化して起こる場合と、最初から慢性の経過をたどる場合があります。このタイプの前立腺炎は比較的少なく、慢性前立腺炎全体の10%程度しかありません。

症状

あまり症状は強くありません。
痛みは通常あまりなく、熱は微熱程度か、出ても38度以下程度の熱です。また軽い膀胱炎や前立腺肥大症のような症状が出て、精液に膿や血液が混じったりします。

治療

急性の前立腺炎から慢性化して起こる場合も、はじめから慢性の前立腺炎になっている場合も、細菌によって起こっていることには変わりがありませんので、治療は抗菌剤を用いる事になります。
物理療法として温熱療法等も行われます。

いずれにしても保存的に治療する事になります。治るまでは通常長くかかり、数ヶ月かかることもあります。

3.慢性非細菌性前立腺炎

慢性の前立腺炎の90%以上はこのタイプです。
この中には通常の検査では発見できない細菌やクラミジアなどの菌を原因菌とする炎症性のものと、炎症所見のない非炎症性のものとが有ります。
その他の原因としては前立腺の結石や、尿の逆流、前立腺液の浸潤、骨盤内のうっ血なども原因ではないかと考えられていますが、未だ原因がはっきり分かっているわけでは有りません。心理的な要因も原因の一つではないかと考えられています。

症状

排尿困難と痛みのあるのが特徴ですが、痛みの程度はさまざまで、痛む場所もいろいろです。

一番多く痛む場所は会陰部(肛門の前あたり)や鼠頚部、下腹部等の痛みです。痛みの程度もいろいろで、なんとなく違和感があるとかむずむずするという程度から、座っていられないほど痛む場合までいろいろです。
普通症状が出たり引っ込んだりするのが特徴で、治療しなくても自然に治る場合もあります。症状が有る期間と無い期間が交互に現れるのが普通ですが、中には症状が出たまま治らなくなったり、治ったままになったり、症状の現れ方はいろいろで、丁度うつ病の症状に似ています。

受精能力への影響についてはいろいろ意見がありますが、少し影響するようです。精子の奇形が増えたり、運動能力が悪くなったりするといわれています。

原因

原因が分かっていませんので、確立した治療法があるわけでは有りません。何か器質的な疾患があると考えている学者もいますし、精神病の範疇で疾患を捕らえようとする学者もいます。
治療はそれぞれの医者の経験に基づいて、対症療法的に行われているのが現状です。

治療

治療には薬物療法、物理療法、手術療法等があります。

薬物療法

細菌感染が関係しているという考えから抗菌剤を使う事もあります。
その他痛み止めや筋弛緩剤、精神安定剤、抗不安剤、抗うつ剤、排尿改善剤、漢方製剤等が使われますが、あまり有効でない場合が多いようです。

物理療法

細菌性の慢性前立腺炎のときにも言いましたように、前立腺を高温で暖める治療が有ります。

手術療法

症状の激しい場合で、特に痛みが激しく、高齢者で子供を作る必要がないというような人の場合は、TURPを行う事もあります。

TURPを行うと治るかどうかは断言できませんが、私は、痛みが激しく、10年20年と大学病院や大病院を転転としていた患者さんの16人に対してTURPを行っています。
この中には30歳台の未婚の人も含まれていますが、痛みが激しく、今はとにかくこの病気が治るのであれば可能性のあることなら何でもして欲しいという強い要望があってTURPを行った人達です。この16人のうち13人は完全に症状が治りました。残り3人のうち2人は症状が少し改善しましたが、後の1人は全く改善されませんでした。

これらの患者さんから採った前立腺の組織を見ると、炎症所見のあった人は6人だけで、残りの10人のうち8人は前立腺肥大症の組織で、後の2人は前立腺のガンでした。
30歳台の人の結果も、炎症はなく前立腺肥大症という結果でした.前立腺肥大症は30歳台から始まるといわれていますので、この組織の結果はたまたま合併していただけで、慢性前前立腺炎の原因ではないと考えられました。
2人の人に前立腺ガンが見つかっていますが、16人の中の2人にガンが見つかるのはむしろ少ない位の確率で、この場合も単に合併していただけだと考えられました。

4.無症候性炎症性前立腺炎

全く症状がありませんので、たまたま偶然見つかる前立腺炎です。手術や前立腺の生検を行った際に見つかるもので、病気としての意味はありません。

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